昨年(2022年)10月に発足した「森林づくり全国推進会議」(会長=櫻田謙悟・経済同友会代表幹事)は、10月4日に2回目の全体会合とシンポジウムを東京都江東区の木材会館で開催した。同会議の会員数は設立時の141から今年(2023年)9月末時点で205に増えており、内訳は会社等が80、自治体が11、団体・NPO等が114となっている。昨年度は会員の23%が森林づくり活動を行っており、今後もロゴマークの活用や勉強会・セミナーなどを通じてネットワークの拡大を目指す方針を確認した。
活動報告に続いて、青山豊久・林野庁長官が森林・林業を取り巻く状況などを解説。小学校社会科の学習指導要領の見直しなどによって、消費者の関心は「林業」から「森林資源が果たす役割」に移っているとし*1*2)、木造・木質化に取り組む企業は「クール」で「カッコイイ」と評価されているとの見方を示した上で、建築や木製品製造などに伴って排出される二酸化炭素(CO2)を森林由来J-クレジットでオフセット(相殺)することで、よりプレミアムな価値を創出できると強調した。
続いて、(株)竹中工務店の石川修次・木造・木質建築推進部長が大手ゼネコンがデザインする「木のまち」づくりについて、また、鳥取県日南町の荒金太郎・自立改革推進本部主幹がJ-クレジットの計画的な販売をベースにした地域おこしの現状を報告した後、パネルディスカッションを行って企業と森林の関わりなどを中心に議論を深めた。
(2023年10月4日取材)
(トップ画像=企業関係者を中心に約200人が参加した )
『林政ニュース』編集部
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