国の公共建築物木造化率が86.7%に上昇、3年連続アップ、検証後は2年続き9割

建設 木造非住宅 統計・調査

国(中央省庁)が整備する低層公共建築物(3階建て以下)の木造化率が3年連続で上昇し、2019年度は86.7%と前年度を8.4ポイント上回った*1。また、「木造化になじまない」と判断された物件を検証した後の木造化率は2年連続で9割に達した。

農林水産省と国土交通省が発表した最新の調査結果によると、2019年度は対象となった83棟のうち72棟が木造で整備された。「木造化になじまない」とされた11棟についても8棟は木造での整備に切り替わった。検証後も木造化が困難とされたのは、重荷重に耐える構造が必要な揚水機場と洗浄水を頻繁に使うごみ置き場の計3棟だった。また、同年度に内装等の木質化を行った公共建築物は132棟で、前年度より37棟減少した。

2020年に制定された公共建築物等木材利用促進法(木促法)*2*3は、低層建築物について「原則としてすべて木造化を図る」と定めている。当初は木造化率が伸び悩んだが、できない理由を検証する作業を2015年度から始め*4、各省庁に継続的な働きかけを行うことで「国の施設は木造で」という共通理解が形成されてきている。

2019年度に国の施設を木造・木質化したことによる木材使用量は5,372m3で、前年度より27.7%増えた。ただし、使用木材の国産材率は前年度の73.8%から69.4%にダウンしており、この引き上げが課題になっている。

『林政ニュース』編集部

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