国有林に創設した樹木採取権制度の利用を拡大するために今年(2023年)から導入したマーケットサウンディング(新規需要創出動向調査)の結果が出揃った。
北海道森林管理局は11月22日に、渡島檜山森林計画区で2件、日高森林計画区で1件の事業構想が民間企業から提案され、道産材の供給増などに寄与すると確認できたので樹木採取区指定の手続きに入る方針を明らかにした。これに先立ち、中部森林管理局は8月30日に、宮・庄川森林計画区で1件の事業提案を承認した。
林野庁は、昨年(2022年)12月に「今後の樹木採取権設定に関する方針」を公表し、基本形(権利期間10年程度、区域面積200~300ha)の樹木採取区の指定手続きにマーケットサウンディングを導入、今年2月27日に樹木採取区の指定が可能な43の森林計画区を公表し、第1弾として6局の9計画区についてマーケットサウンディングを行ってきた。その結果、北海道局と中部局が受け付けた計4提案を採択した(残りの4局6計画区は事業提案なし)。
計4提案は、製材業者や木材商社、住宅販売会社などが2×4材や集成材用ラミナなどを生産する工場や関連施設を新設する内容となっており、来年度(2024年度)中に樹木採取区を指定し、再来年度(2025年度)には樹木採取権を設定して主伐・再造林などに着手することが計画されている。
なお、来年は、次の4局7計画区でマーケットサウンディングを実施することにしている(括弧内は、担当の森林管理署)。
北海道局=網走東部(網走中部、網走南部)、胆振東部(胆振東部)▽東北局=東青(青森)、宮城南部(仙台)▽関東局=那珂川(塩那)、利根上流(利根沼田)、▽九州局=姶良(鹿児島)
(2023年11月22日取材)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。