森林調査のDX化加速、日本森林林業振興会が高性能ドローンレーザ導入

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森林調査のDX化加速、日本森林林業振興会が高性能ドローンレーザ導入

日本森林林業振興会(東京都文京区、沼田正俊会長)が森林調査事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けた取り組みを一段と強化している。7月10日に(株)アドイン研究所(東京都千代田区、佐々木浩二・代表取締役社長)と共同で「収穫調査支援アプリ」をリリースしたのに続き、7月末には約2,000万円を投じて高性能のドローンレーザ計測システムを導入した。

同会は、全国14支部・支所に、高精度GNSSやドローン、地上レーザスキャナなどを計50機配備するなどICT機器を充実させてきている。国有林の収穫調査などで培ってきた独自のノウハウに最新機器から得られるデジタル情報を組み合わせることで、「収穫調査をはじめとした森林資源調査のDX化を進める」(担当者)方針だ。

同会が新規導入したのは、国産のドローン(Build Flyer)にオーストリア・RIEGL社製のレーザスキャナ(mini VUX-1)を搭載したもので、とくに上空100m以下からの精細な解析性能の向上が見込める。また、「収穫調査支援アプリ」は、①ドローン空撮により得られたオルソ画像から林分の混み具合を可視化して調査区域を代表する標本ラインを選定、②標本ラインに沿ってOWL()等地上レーザを用いて効率的に立木の胸高直径等を計測、③計測結果と樹種・品質等の補完調査結果を合わせて収穫調査報告書を作成――という流れで作業を効率化できる。

「収穫調査支援アプリ」により選定した標本ラインに沿った調査イメージ

同会は、今年(2024年)3月の日本森林学会で、ドローンレーザと地上レーザの得失を踏まえた計測の考え方と利用法について発表しており、新規導入機器を活用して範を示すことにしている。

(2024年7月19日取材)

(トップ画像=オーストリア製の高性能レーザスキャナを搭載したドローン、画像提供:日本森林林業振興会)

『林政ニュース』編集部

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