伊庭理事が選んだ木材加工の新アプローチ
代表理事の伊庭雅俊氏(42歳)に導入した理由を聞くと、「伐出材の大径化が進んでいるが、地元で加工できるところが減っている。自分達で大径材を活かすためには、小回りの効く簡易製材機を使うのが最適だ」との答えが返ってきた。
簡易製材機は、自ら伐採・搬出し、製材加工も行い、家まで建てる──といった小規模で6次産業化を志向する事業者が利用するケースが多い。だが、同組合の使い方は、一味違う。原木を土場でフリッチにして木材業者に販売するスタイルを基本にしている。フリッチは原盤とも言われ、原木の樹皮などを落として1次加工しただけの半製品だ。
なぜ、加工レベルを上げて最終製品にしないのかと伊庭代表理事に問うと、「餅は餅屋だから」と言い、「木材業者と連携して最終製品にした方が付加価値が高まる。原木の2〜4倍の価格になることも珍しくない」と続けた。
フリッチの得意先の1つが輸入材を原料に梱包材を製造している近隣の業者。元々、フリッチを加工する設備やノウハウを持っているので、国産フリッチにもスムーズ...
『林政ニュース』編集部
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