植樹で国際交流「世界の森やまなし」創設 鳴沢村の県有林を活用して“協働”を実践

植樹で国際交流「世界の森やまなし」創設 鳴沢村の県有林を活用して“協働”を実践

山梨県は、植樹活動を通じて国際交流の促進やSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指す新たな拠点として、鳴沢村の県有林内に「世界の森やまなし」を創設し、10月19日にキックオフイベントを開催した。

「世界の森やまなし」は、1990年に全国育樹祭の記念式典を行った広場の隣接地に約1haの植樹フィールドを整備したもので、世界文化遺産登録10周年を迎えた富士山を間近に望むことができる。同県の森林率は約78%と高く、その半分を占める県有林では長期的なスパンで管理・経営が行われており、約14万4,000haに及ぶFSC森林認証取得面積は全国トップを誇る。この県有林内に「世界の森やまなし」を“開かれた場”として設定し、県内外で国際会議や国際イベントが開催される際には記念植樹を行って対外的な発信力などを高めていくことにしている。

10月19日のキックオフイベントには、40か国の駐日大使や自民党の二階俊博衆議院議員をはじめ、国、地元自治体、関係団体・機関の代表者ら約250名が出席。挨拶に立った長崎幸太郎知事は、「地球温暖化の影響から世界各地で豪雨等の自然災害が多発しているほか、貧困や不平等、紛争、劣悪な衛生環境など多くの課題に直面している」との問題意識を表明、「これらの解決のためには世界レベルでの“協働”が求められ、様々な文化的背景を持つ人々が相互に理解を深めていくことが重要であり、植樹を通じた国際交流の場を創設した」と、「世界の森やまなし」を設定した狙いを語った。

続いて、甲府市にある山梨英和中学校の生徒によって、「国際交流『世界の森やまなし』宣言」が読み上げられ、参加者や県内留学生らがシンボルツリーであるヤマザクラのほか、イロハモミジ、ミズナラを植栽した。

(2023年10月19日取材)

(トップ画像=ヤマザクラを記念植樹した、画像提供:山梨県)

『林政ニュース』編集部

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