政府は、6月21日の閣議で「骨太の方針2024(経済財政運営と改革の基本方針2024)」を決定し、来年度(2025年度)予算編成にあたって重視する政策課題などを示した。
林政関連では、森林経営管理法の改正を次期通常国会で目指すとしたほか、花粉症対策や森林吸収源対策、再造林の促進、国産材の利用拡大、治山・林道事業の推進などに取り組むことを明記した。
当面の最重要課題となっている森林経営管理法の改正については、「森林の循環利用ができる経営体育成と集約化等を促進する法制度の次期通常国会提出を目指す。」と記述し、関連法案の提出時期を年明けの通常国会とする事実上の“締め切り”を設けた。林野庁は、法改正の検討室(タコ部屋)*1を中心にして、森林の集積・集約化を推進する「新たな仕組み」*2の中身を固め、8月末の来年度予算要求にも関連事項を盛り込むことにしている。
昨年の「骨太の方針2023」*3で“目玉”に浮上した花粉症対策にも継続的に取り組んでいくと記し、2月に設定・公表した「スギ人工林伐採重点区域」*4で少花粉苗木等への植え替えを加速化していく方針を示した。
林野関係予算の太宗を占める公共事業についても、「防災・減災及び国土強靱化の推進」の一環として、「森林整備・治山対策」を位置づけた。また、予算確保のバックボーンとなっている「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が来年度末で期限切れとなることを踏まえ、国土強靭化基本法に基づく次期計画について、「2024年度の早期に策定に取り掛かる」とした。
総じて「骨太の方針2024」における林政関連の記述は、「『2023』より充実し、前進した」(林野庁幹部)と評価されており、これを足がかりにして施策や予算の拡充を図る段階に入る。
(2024年6月21日取材)
『林政ニュース』編集部
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