10周年を迎えたウッドデザイン賞が“世界”とつながる【人を伸ばす!】

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10周年を迎えたウッドデザイン賞が“世界”とつながる【人を伸ばす!】

「ウッドデザイン賞」が今年(2024年)で創設10周年を迎え、記念事業を行っている。目玉となっているのは、世界3大デザイン賞の1つである「iFデザイン賞」につながる道をつけたことだ。6月20日には、第10回「ウッドデザイン賞」の作品募集が始まる。入賞すれば、世界で羽ばたける可能性が広がっており、“逸材”の登場が期待されている。

入賞すれば「iFデザイン賞」のファイナル審査へエントリー

ウッドデザイン賞を運営する日本ウッドデザイン協会(東京都千代田区、隈研吾会長)は5月31日に「iFデザイン賞」の実施主体であるiF International Forum Design(ドイツ)と協定を締結。ウッドデザイン賞に選ばれた作品は、iFデザイン賞の1次審査をパスしたとみなし、ファイナル審査に進出できることにした。

1953年に創設されたiFデザイン賞は、「レッドドット・デザイン賞」(ドイツ)、「IDEA賞」(アメリカ)と並ぶ世界3大デザイン賞の1つに数えられる。例年1万点を超える応募があり、最優秀賞のゴールド賞を獲得するためには100倍以上の競争率を突破しなければならない。

高橋義則・日本ウッドデザイン協会常任理事

同協会の高橋義則・常任理事は、権威あるiFデザイン賞と連携できたことについて、「日本の森や木と人が世界から魅力的に映っていることの表われ」と述べ、「日本独自の技や文化を国境を超えて伝えていきたい」と抱負を口にする。

今後、ウッドデザイン賞とiFデザイン賞をダブル受賞する作品や人材が出てくれば、国産材のPR面でも従来にない大きな効果が期待できる。

消費者目線にこだわって“地平”を広げ、新たなステージに入る

ウッドデザイン賞は「木づかい運動」の表彰行事を全面リニューアルして2015年にスタートした。第1回から一貫して“消費者目線”にこだわって木を活かす“地平”を広げてきており、これまでの応募数や入賞作品、最優秀賞(農林水産大臣賞)などはのようになっている。

発足当初から運営を支えている高橋常任理事は、「初めは『木を使ってみました』という応募が多かった」と振り返った上で、「今は技術が進化してデザイン性の優れた作品が多くなった。若手のクリエイターやデザイナーなど、これまで木に関わりなかった人達の応募も増えている」と言う。

ウッドデザイン賞は、2022年に国の補助事業から民間主導の顕彰事業に移行し、エントリー料とロゴマーク使用料を有償化した。それでも応募件数はさほど落ち込まず、「木を使った新たなデザイン価値を評価する賞になってきた」(高橋常任理事)。10周年をステップにして、「業界の枠組みを超え、木の良さを世界に発信する」(同)ステージに入ってきている。

なお、同協会は、木の可能性を体験できる「WOOD DESIGN EXPERIENCE」を、東京都千代田区の丸ビル(6月14・15日)と愛知県名古屋市のKITTE名古屋(7月5・6日)で開催する。

ウッドデザイン賞の応募はこちらから。

(2024年5月31日取材)

(トップ画像=iFデザイン賞の授賞式の様子、画像提供:日本ウッドデザイン協会)

『林政ニュース』編集部

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