大倉工業とナイスが香川・徳島で工場新設 総額71億円を投じ構造用集成材など製造

大倉工業とナイスが香川・徳島で工場新設 総額71億円を投じ構造用集成材など製造

パーティクルボードやプラスチック製品、光学機能性フィルムなどを製造・販売している大倉工業(株)(香川県丸亀市、神田進・代表取締役社長執行役員)と大手木材商社のナイス(株)(神奈川県横浜市、杉田理之・代表取締役社長)及びナイスグループのウッドファースト(株)(徳島県小松島市、伊藤哲・代表取締役社長)は、昨年(2023年)12月13日に四国産材を活用した工場新設に関する協定を締結した。同協定に基づき、大倉工業は約53億円を投じて香川県内に構造用集成材製造工場を、ナイスは約18億円をかけて徳島県内に製材工場を立ち上げる(12月15日に発表)。

大倉工業は、1947年に四国住宅(株)として創業し、パーティクルボードなどの製造に進出して業容を拡大してきた。新工場は香川県の三豊市に建設し、2026年4月から稼働を始め、住宅用の梁や桁などに使われる構造用集成材を製造する。原料となるスギやヒノキのラミナは、ナイスグループや昨年12月13日に協定を結んだ香川県森林組合連合会などから調達することにしており、年間原木消費量は稼働5年後に約7万5,000m3に達する計画。同社の担当者は、「脱炭素・カーボンニュートラルへの貢献を果たすべく集成材の製造に踏み切ることにした」と話している。

スギラミナ等供給へ年5万4千m3の原木消費、25年4月稼働

ナイスは、新たな製材工場となる「徳島第2工場」をウッドファーストの工場の敷地内に建設し、2025年4月に稼働を開始する予定。

新工場の原木消費量は、年間で最大約5万4,000m3になる見込み。大径材対応の大型ツインソーを導入し、主にスギのラミナを生産する。原木は協力企業から調達するとともに、県内にある自社林からも伐出する。

同社は、昨年5月に中期経営計画を策定し、成長目標として、①国産木材№1、②超・物流、③エリア№1の3本柱を打ち出しており、新工場は、①国産木材№1の達成に向けた重要拠点の1つになる。

(2024年12月15日取材)

(トップ画像=木質廃材を原料にしているオークラボード®、画像提供:大倉工業)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしていきます。

この記事は有料記事(901文字)です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。