大分県の日田市で5月 29 ・30 日に「2026林業・環境機械展示会 in 日田」が開催された。全国の関係者が参集する中、機械メーカー8社が連携してスマート林業の実現に向けた最新のマシンなどを展示し、実演も行った。
同展示会は、同市の大山町に拠点を置く(株)リタプラス(藤川靖治・代表取締役)が定期的に開催してきており、今回から実行委員会が主催するかたちにし、大分県と日本森林林業振興会(東京都文京区、沼田正俊会長)が後援した。
同社のサービスセンターに設営した会場内には、ICT機能などを搭載したハーベスタやフォワーダー、フェラーバンチャ、ロングリーチグラップル、チッパーなどの高性能林業機械のほか、土壌汚染を防ぐ注油機能付き燃料運搬容器など環境負荷低減製品なども並んだ。また、機械のメンテナンス研修会や現場における利用事例の紹介なども行って、来場者との意見交換や交流を深めた。
生分解性チェーンオイルのニーズ高まる、データ収集・分析にも注力
5月30 日には、同市大山文化センターで「生物多様性と林業の持続可能性~自然資本を高める~」をテーマにした講演会も開催した。(株)Small Planet(福岡県うきは市)代表取締役の緒方美英子氏が司会をつとめ、日本森林技術協会(東京都千代田区)理事長の小島孝文氏(元九州森林管理局長)、three tree(和歌山県田辺市)代表の中島彩氏(林政審議会委員)、(株)日田中央木材市場(日田市)代表取締役の諌本憲司氏(NPO法人ひた水環境ネットワークセンター顧問)が講師として登壇した。
小島氏は、「ESG投資やSDGs、ネイチャーポジティブなどを重視する時代が到来し、林業の果たす役割がかつてなく注目されている」と強調した上で、「その実現に向けた先進的な取り組みが400年の歴史を持つ林業地・日田から出てきたことは極めて意義深い」と期待を込めた。

中島氏は、フリーアナウンサーから林業の世界に入り、広島・長野・兵庫県の林業現場で知見と技術を蓄えた後に、和歌山県で森林の経営・管理を3人体制で進めていることを述べ、今後に向けて、「木の価値をもっと高めて持続可能な林業を実践していきたい」と抱負を語った。
諌本氏は、ひた水環境ネットワークセンターを立ち上げて森林と河川の保全に取り組んできた経歴を踏まえ、リタプラスが取り扱っている生分解性チェーンオイル*1の導入をいち早く決めたことを報告。日田中央木材市場の経営・管理する森林で伐出活動を行う事業者が生分解性チェーンオイルを使用する場合は、「伐出量m3当たり200円を上乗せして普及を促進している」ことを伝えた。

生分解性チェーンソーオイルについては、林野庁が今年度(2026年度)から国有林野事業で導入を支援するメリット措置を講じており*2、イラン情勢の関連で鉱物性オイルから切り替える動きも強まっている。
リタプラス社長の藤川氏は、「生分解性チェーンオイルが環境負荷を低減する効果をさらに理論化・数値化していく必要性を感じている」とし、「大学や研究機関などと連携して、幅広い流域の関係者に理解と納得をしていただけるデータを示していきたい」と意欲をみせた。

(2026年5月 29 ・30 日取材)
(トップ画像=高性能チッパーの実演などを行った)
『林政ニュース』編集部
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