イラン情勢の長期化で補正編成、林業・木材産業にも支援を

全国 予算・事業

米国とイランの軍事衝突による影響が日本の予算編成作業にも及んできた。2月に米国が原油の主要輸出国であるイランへの攻撃を始めてから、世界的にエネルギーの供給不安や物価高騰が広がっており、日本政府も今年度(2026年度)補正予算を編成して、新たな経済対策を講じる局面に入っている。林業・木材産業分野においても長期化するイラン情勢(中東情勢)の推移に対応した予算確保や施策づくりが必要になる。

燃料や接着剤の確保、木質新素材の開発促進などを自民党が提言

自民党の林政対策委員会(田野瀬太道委員長)などは、5月20日に「新たな森林・林業基本計画の実現に向けた必要な対策に関する提言」をまとめ、関係方面に実行を働きかけていくことを決めた。

同提言は、6月上旬の閣議決定が予定されている新しい森林・林業基本計画の推進に必要な予算の確保や増額を求める内容となっているが、「今般の中東情勢を踏まえた対応」も重点課題に位置づけた。

具体的には、「燃料や、チェーンソーオイル、接着剤等の資材の安定的な確保・供給を含め、林業・きのこ生産・木材産業の事業継続が困難とならないような支援を的確に行うこと」が必要と強調。併せて、非化石資源である木質バイオマスの熱利用や熱電併給を促進するとともに、原油関連製品などに代替できる「改質リグニンやセルロースナノファイバー等の木質系新素材の開発・利用に積極的に取り組むこと」を求めている。

同提言は、林業・木材産業を成長分野と捉え、民間からの投資を呼び込みながら、「今後5年間で、建築用材の国産材率を5割から7割に引き上げ、林業・木材産業による経済波及効果を年2兆円から年3兆円へと向上させ、百年続く『森の国・木の街』の礎を築く」との全体的な目標も打ち出した。

また、高市早苗首相が従来からの「補正予算に頼る予算編成」を根本から改める方針を明らかにしていることを踏まえ、「政府全体における予算のあり方の検討状況等も注視しつつ、当初予算を基本として林野予算の思い切った増額」を目指すとしている。

(2026年5月20日取材)

『林政ニュース』編集部

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