乗鞍高原の景観維持と活性化へ、シラカバで「朽ちるベンチ」制作

長野県 イベント・祭事

9月11・12日に中部山岳国立公園の乗鞍高原で、(有)Raicho(長野県松本市、藤江佑馬社長)と(株)やまとわ(長野県伊那市、中村博社長)が朽ちるベンチ「kimama」を制作するワークショップを行い、地域住民など約30名が参加した。

「kimama」は“朽ちて自然に還る”をコンセプトにしており、材料には乗鞍高原のシラカバを利用。防腐剤やウレタン、金属製品などは一切使わずに組み立てた。台座は直径30cm前後の丸太を半割し、ソーラー式の蓄電池を利用した自動カンナで加工。脚は、直径約15cmの丸太を積み重ね、もう一方を縦棒で支えるかたちにした。ワークショップをプロデュースしたやまとわの奥田悠史取締役は、「4点で支える家具は制作が難しく、設置部が平らでなければ安定しない。このかたちならば安全に使用できる」と話している。

朽ちるベンチ「kimama」

発起人であるRaichoの藤江社長は、7年前に脱サラし、ゲストハウス「雷鳥」やサスティナブルアクションカフェの運営、自然観察ガイドなどの仕事を通じて、地域活性化と持続的な社会の実現を目指している。

藤江社長によると、シラカバの利用には3つの狙いが込められている。1つは、乗鞍高原の美しい草原風景を維持するためにシラカバを修景間伐しているが、薪にするしか使い道がなかったため、新たな用途を開発する必要があったこと。2つめは、国内で初めてゼロカーボン・パークに認定された乗鞍高原で適切な森林管理を実践すること。3つめは、かつて林業地として栄えた乗鞍高原に木を使う文化を取り戻すことだ。

ワークショップの参加者からは、「またやりたい」との要望が出ており、「毎年定期的に開催して、地域住民がワイワイできる場をつくっていきたい」(藤江社長)という状況になっている。

ワークショップには地域住民など約30名が参加した

(2021年9月11・12日取材)

『林政ニュース』編集部

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