山形県鶴岡市の温海町森林組合は、伝統野菜「焼畑あつみかぶ」を栽培するため、9月3日に管内のスギ主伐跡地で「火入れ」(山焼き作業)を行った。
温海町森林組合が6年連続で「火入れ」を行う
同組合は、主伐・再造林を進めて人工林の若返りを図るため、「焼畑あつみかぶ」の栽培を取り入れた循環利用の取り組みを2016年から行っている。同組合が提案・施業した主伐跡地を対象にして森林所有者と10年程度の経営管理協定を結び、「焼畑あつみかぶ」を栽培した後に、再造林と下刈りを行っている。「火入れ」は、今回で6年連続となった。

温海地区の特産品である「あつみかぶ」は、約400年前から伝統的な焼畑農法で栽培されており、天明5年(1785年)に徳川幕府に献上された記録も残っている。外皮は赤紫色、内部は白色で、パリッとした食感とほんのりとした甘みが特長。焼畑には、地中の病害虫を熱消毒し、林地の枝葉が灰になって肥料となる利点があるが、まんべんなく土の中まで焼くには、伐採跡地での枝葉の“天地返し”や防火帯の整備などの事前準備が欠かせない。同組合は、8月後半~9月上旬の晴天で風がなく、作業後に適量の降雨が予想される時期を見計らって「火入れ」を行い、消火後3~4日以内に種を播いて育て、10月中旬~12月初旬に収穫し、植え付けを行っている。

焼畑は重労働で危険も伴うため、同組合でも毎年1ha程度しか実施していないが、「焼畑あつみかぶ」の売り上げで保育期間(9年分)の下刈り経費が賄えるようになっており、林地を有効利用して山に利益を還元するシステムができてきている。
(2021年9月3日取材)
(トップ画像=スギ林の主伐跡地で山焼き作業を行った)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。