林業人材×異業種人材でニュービジネスの創出を目指す「SUSTAINABLE FOREST ACTION 2021」(略称「SFA」)のデモデイ(成果報告・審査会)が10月23日に東京都内のホテルで開催された。キックオフ時から事業テーマをピポット(方針転換)させたチームを含め14チームが事業アイディアを発表。5チームに総額900万円の資金支援を行うことを決定した(表参照)。

最優秀賞は「マウンテンバイカーと森林組合の森林活用事業」
最優秀賞に選ばれたのは、マウンテンバイクの愛好者による「マウンテンバイカーと森林組合の森林活用事業」。マウンテンバイクで安全に走行できるトレイルの整備を全国の森林組合と連携して行うための事業化資金として300万円が贈られる。11月中に実施主体となる法人「日本マウンテンバイカーズ」を立ち上げ、来年(2022年)春頃には静岡県森町でマウンテンバイクパークをオープンする予定。
また、2チームが200万円の賞金を獲得した。「検索回数に応じて森に道を作る検索エンジン事業」は、企業等から検索回数に応じて広告費を集め、林道を開設する事業体に資金提供する。11月末までに(株)Molickを設立し、開設候補地を決める。「未使用材の定期購入で楽しい木工ライフを手軽に」は、智頭町森林組合と連携して木工キットを制作し、販売する。法人「510GREENWORKS (株)」を11月中に発足させて事業に着手する。
このほか、2チームに100万円の資金支援を行うことも決めた。「アカエゾマツの森林と恵の循環事業」では、一般社団法人PINE GRACEと協働して、アカエゾマツの成分を使った男性用化粧商品を来年4月に発売する。(株)舗材サービス(北海道鹿部町)が新規事業として取り組む。
「林業(農業)の獣害被害低減事業」は、ハンターと獣害に困っている農林家をマッチングさせるサービス「カリツナギ」(仮称)を運営する。森庄銘木産業(株)(奈良県宇陀市)に新部署を設置し、宇陀市と連携して実証事業を始める。
課題解決が林業全体に拡大、「自走できる仕組みを目指す」
第1回SFAは造林の課題解決に焦点をあてていたが、第2回からは林業全体に視野を広げた事業アイディアが多くなっている。これを受け、林野庁は来年度予算要求の担当セクションを整備課造林間伐対策室から研究指導課に変更した。
SFAの事務局を担当している(株)Spero(東京都目黒区)の高橋ひかり・代表取締役CEOは、「来年度からは通年プログラムと1か月の短期プログラムをはじめ、随時メンタリングできる体制を整えたい」と話しており、将来的には「国からの助成金がなくても自走できる仕組みを目指す」と意欲をみせている。
(2021年10月23日取材)
(トップ画像=最優秀賞の「日本マウンテンバイカーズ」。決勝プレゼンでは昨年のSFAで(株)フォレストーリーのメンターをつとめた池森裕毅氏からの鋭い質問によどみなく答えた。)
『林政ニュース』編集部
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