全国森林組合連合会(東京都千代田区、中崎和久会長)は、10月21日に東京都中央区の銀座ブロッサムで「第30回JForest全国森林組合大会」を開催した。
今年(2025年)は、国際連合が定める「国際協同組合年(IYC2025)」となっていることから記念大会と位置づけ、「IYC2025を契機とした協同組合の連携と発展」をテーマに掲げて行った。
同大会は5年ごとに行ってきたが、前回の第29回大会はコロナ禍の影響で1年後ろ倒しの2021年に実施した。今回から5年周期の開催に戻すことにしている。
今年は、第29回大会で決議した系統運動「JForestビジョン2030」の折り返し地点にあたっており、運動開始前と比べた進捗状況をみると、新植面積・主伐面積・女性理事の登用数などは順調に伸びてきている。加えて、大規模な豪雨災害や山林火災に備える森林保険の加入推進、ネイチャーポジティブへの関心の高まりを受けた多様な森林の整備、DX(デジタルトランスフォーメーション)化による業務効率化と人材育成、林業技能士の資格取得促進──などが新たな重点課題に浮上してきている。
こうした状況を踏まえた上で、冒頭に挨拶した中崎会長は、「技能検定をさらに充実・普及し、若手技術者の育成、安全管理の徹底、技能の“見える化”に向けた取り組みを強化していく」と強調した。

また、第30回大会の総意として、森林整備予算の確保や外国人材の受け入れ支援強化などを盛り込んだ決議を全会一致で採択した。
記念講演は、元林野庁長官で農林水産事務次官もつとめた皆川芳嗣・農福連携等応援コンソーシアム会長が行い、叔父が林野庁の職員であったエピソードなどを交えながら、「企業社会との連携を率先して進めて欲しい」と森林組合への期待を語った。

(2025年10月21日取材)
(トップ画像=全国各地から約700名が参集した)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。