日本林業土木(株)(東京都千代田区、安藤伸博社長)は、8月26日に「施工性の高い治山対策に関する技術研修会」を静岡県の静岡森林管理署管内にある小山地区民有林直轄治山事業地で実施した。
森林土木事業は、奥地山間部の急傾斜地での作業が多いことに加え、省力化や生産性向上、工期短縮などが求めれており、施工性の高い工種・工法を導入することが急務になっている。8月26日の研修会には、林野庁や県、市町村といった行政機関をはじめ森林土木に関わるコンサルタントや施工業者など約80名が参加し、関心の高さを窺わせた。
対象地は、富士山の火山噴出物であるスコリアが厚く堆積し、土壌の固結度が弱く、浸食されやすい地質となっている。面積も広く、厳しい条件の中で、鋼製セル、鋼製自在枠による渓間工やかご枠による流路工、丸太法枠工によって復旧と森林の再生を進めている(事業実施主体は小野建設(株))。
研修のポイントとして、スコリア地域における治山対策の考え方や、一定の不等沈下に対処できるプレキャスト構造の鋼製自在枠治山ダム工について、その特徴や安定計算手法及び施工法について重点的に学んだ。
標高1,000m近い現場でありながら8月末にも関わらず厳しい残暑の中、参加者は熱心な意見交換や質疑を行い、今後も実際の現場で技術研修会を行って欲しいとの要望が聞かれた。
(2025年8月26日取材)
(トップ画像=技術研修会には約80名が参加した)
『林政ニュース』編集部
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