静岡県は、日本製紙(株)(東京都千代田区、野沢徹社長)及び日本製紙木材(株)(同、羽山邦彦社長)と「先端技術の現場実装に関する協定」を5月9日に締結した。県内にある同社の社有林をフィールドにして、レーザ計測やドローンによる苗木・資材の運搬などスマート林業に関する実証実験を行い、現場実装につなげる。
同県内には約4,000haの県有林があるが、主伐が進んでおらず、アクセスもよくないため、実証実験林としては使用しづらいのが実状。このため、「ふじのくに林業イノベーションフォーラム」などの先端技術に関する研修会等では、日本製紙の社有林を一部使用してきた。この協力関係を拡張・強化するため、協定書を取り交わした。
協定の対象となる日本製紙の社有林は、富士宮市を中心に約2,700haあり、このうち約1,300haがヒノキ林、約500haがスギ林、その他が約900haとなっている。6年ほど前から主伐・再造林を進めており、皆伐跡地から伐期に達した林分まで存在しているので、植林、保育、伐採にまたがる様々な条件で実証実験を実施できる。
県と日本製紙の担当者は、「県内外を問わずにパートナー企業と幅広く連携して、レーザ計測や労働管理アプリ、ICTハーベスタなどの先端技術を持続可能なかたちで現場実装し、林業イノベーションを起こしていきたい」と話している。
(2022年5月9日取材)
『林政ニュース』編集部
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