兵庫県の宍粟市は、7月20日にトッパングループ健康保健組合(東京都台東区)と「森林まち宍粟包括連携協定」を締結し、森林を活用したサービスやアクティビティ、研修事業などで同組合の「健康経営」に協力していくことを申し合わせた。
同組合は、組合員や家族が森林セラピーやe-bike(スポーツ用の電動自転車)で林内を走るセラピーバイクなどを体験しやすいように利用料や宿泊費などを補助し、同市は施設の受け入れ体制整備やサービス内容の向上などに取り組んでいく。
「宍粟市営業部」が企業とのマッチング推進、発信力高める
宍粟市は、昨年(2021年)11月に(株)さとゆめ(東京都千代田区)と連携して「宍粟市営業部」を設立、森林セラピーなどに関するPRや情報発信を強化して、企業とのマッチングを進めている。今回の協定締結でも、「営業部」が主導的な役割を果たした。
同市は、関係人口や交流人口の増加に向けた施策を展開しており、リピーターを増やすことを目指している。その一環として、より“顔が見えやすい”企業とのパイプを太くしていく方針をとっている。
コロナ対策としてテレワークが普及するなど、企業は働き方の見直しを進めており、福利厚生のメニューに森林空間利用などを加えようとするニーズは根強い。ただし、具体的な1歩を踏み出すための情報やきっかけづくりはまだ不足しているのが実状で、今回の協定はモデルケースの1つとなる。
「営業部」は、次に向けた“種まき”として、8月18日(木)と19日(金)に企業向けの「健康経営プログラム体験会」を開催する。参加企業を6社まで募集し、森林セラピーやセラピーバイク体験、異業種交流会などを実施し、一定額の費用支援も行う。担当者は、「森林セラピーを軸に研修プログラムやアクティビティなどを充実させていく。企業の健康経営に貢献することで当市を訪れる機会を増やし、地域活性化につなげていきたい」と話している。
(2022年7月20日取材)
『林政ニュース』編集部
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