福井市は、県民衛星「すいせん」から得られるデジタルデータを山地災害対策などに利用するシステムの運用を7月8日に始めた。
「すいせん」は、福井県が県内企業と連携して2021年に自治体として初めて打ち上げた。同市は、宇宙ビジネスを展開している(株)ネスティ(同市)と連携して、「すいせん」から送られてくる画像データを災害時の調査に役立てる。豪雨災害などが多発している中で、被災状況を広域かつスピーディに把握できるようになると期待されている。
同市は、ネスティから衛星データを利用するためのアプリやタブレットの提供を受けてシステムを運用する。災害時に森林や農地の被災状況を調べて迅速に情報を共有し住民の安全確保を図るほか、平常時にも衛星データを伐採状況の把握などに役立てる。併せて、入力や報告書作成の手間を削減するなど、行政業務全体の効率化も進める。
同市は、災害時の調査にドローンも利用しているが、撮影できる範囲に限りがあった。担当者は、「広範囲の被害調査には衛星データが欠かせない。平時のパトロールにも活用できるシステムなので、林業のDX化にも寄与できる」と話している。
(2024年8月8日取材)
(トップ画像=福井県民衛星「すいせん」活用事業の概要)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。