放置竹林の解消を目指して、竹材からセルロースナノファイバーを製造するベンチャー企業「おおいたCELEENA(セレーナ)」(大分県大分市、西脇毅・代表取締役)が9月28日に創業した。
同社は、大分大学理工学部の衣本太郎准教授のグループが開発した竹材を竹綿にして、その竹綿をナノ化する技術を用いる(両技術とも特許出願済み)。小さなスペースでもセルロースナノファイバーを製造できるのが特長で、廃校を活用して教室1部屋で年間1t、体育館で年間100tをつくることを計画している。
原料となる竹材は、竹林で伐採した後に16分割程度の細さに菊割りし、まず竹綿に加工する。竹綿にすることでセルロースナノファイバーへの変換効率が約90%以上に高まる。製造したセルロースナノファイバーは、水と混ぜ合わせてスラリーにし、化粧品などの原料として供給する。この加工工程をとることで、竹材に含まれているセルロースを効率的にムダなく利用できる。製造方法はマニュアル化されており、手順を踏めば誰でもセルロースナノファイバーを製造できる。

同社は、研究者ら数名が出資して設立し、すでに大手総合商社とタッグを組んで、欧州の化粧品市場を見据えた販路開拓に着手している。
代表取締役の西脇毅氏は、大手企業でコンサルティング業務や与信業務などに従事し、森林GIS分野の研究チームにも参画した後、大分大学に移り産学連携部門の知的財産担当講師として教鞭をとっていた。

西脇社長の話「カーボンニュートラル社会へ向けて、化粧品の脱石油化が進むなどの追い風が吹いている。竹材は1t当たり3万円で購入することにしており、竹皮も竹工芸品などに有効利用できる。地域の方々と共存共栄しながら販路を広げて生産量を増やし、放置竹林問題の解消を図りたい」
(2021年9月28日取材)
(トップ画像=竹綿のサンプル)
『林政ニュース』編集部
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