平和不動産(株)(東京都中央区、土本清幸・代表執行役社長)が日本橋兜町で建設を進めていた高層ホテル「キャプション by Hyatt兜町東京」が6月末に竣工し、10月7日の開業に向けて準備を進めている。7月1日には完成見学セミナー(日本木造耐火建築協会との共催)を開催し、設計面の特長などを関係者に伝えた。
「Hyatt兜町東京」は、国際的なホテルグループ・ハイアットホテルアンドリゾーツ(米国シカゴ州)が運営する。外資系企業が手がけるホテルで木構造を本格的に採用した全国初のケースとなる。
地上12階・地下1階建てで、延床面積は9,977.66m2。1~2階は鉄骨造、3~8階は梁に2時間耐火の木質耐火部材「オメガウッド」、9~12階は柱・梁に1時間耐火の「オメガウッド」を採用しており、木材使用量は約125m3になる。
設計・監理は(株)三菱地所設計(東京都千代田区)、施工は(株)大林組(東京都港区)、木材加工などは(株)シェルター(山形県山形市)が担った。
デザイン面では、低層に焼杉材を使用し、中高層では木の柱・梁を格子状に用いている。3~8階の木柱は、強度などの関係で構造材ではなく間柱の扱いで使用している。このほかに、配筋付製材型枠を使って内装施工の合理化なども図った。

平和不動産は、「日本橋兜町・茅場町街づくりビジョン2040」の一環として、「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」ことをテーマに開発プロジェクトを進めている。「Hyatt兜町東京」が加わることで“訪れる街”から“滞在する街”にシフトすることを目指している。
(2025年7月1日取材)
『林政ニュース』編集部
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