全国4番目の竹林面積を持つ山口県は、“竹財”の本格利用に向け、今年度(2025年度)新規事業として「やまぐち竹資源循環利用促進事業」(予算額9,290万円)を実施する。
同県では、2023年8月に産・官・学連携のプラットフォーム「YAMAGUCHI Bamboo Mission」(やまぐちバンブーミッション、略称「YBM」)が立ち上がり、今年(2025年)3月時点で会員数は50者を超え、“竹財”を活用する“協働・共創”の輪が広がっている。
これを踏まえ、新規事業では竹林の整備や人材育成、竹材の需要拡大などに総合的に取り組む。
「竹材経営マイスター」を育成し「竹市場」を開設
竹林整備に関しては、「やまぐち竹林経営計画制度」を運用して、竹林経営のルールや基準などを定める。これに基づき、竹林の経営と竹材の生産を担う「竹材経営マイスター」を育成する。
竹材の需要拡大では、原木市売市場のような流通拠点として「竹市場」を開設するほか、「森林クラウド」をベースに「竹クラウド(竹資源情報提供システム)」を開発する。
竹材流通量の倍増へ、t当たり3,000円の定額補助など実施
山口県における竹材の年間流通量は約1,500tであり、県は3年後までに約3,000tへ倍増させる目標を掲げている。
この目標達成に向けて、竹材経営マイスターが竹市場に竹材を出荷すれば、t当たり3,000円を定額補助する仕組みをつくる。また、竹材の伐採や搬出の生産性向上に向けた実証研究や、竹材生産・加工施設の整備支援、県産竹材のブランド化の推進などにも取り組んでいく。
県の担当者は、「竹と言ったら山口県と言ってもらえるようにしたい。放置竹林の減少と竹林の整備・利用が進む好循環をつくっていく」と話している。
(2025年5月20日取材)
(トップ画像=「やまぐち竹資源循環利用促進事業」の概要)
『林政ニュース』編集部
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