テクノストラクチャー工法で最大規模の老人ホームを建設中

テクノストラクチャー工法で最大規模の老人ホームを建設中

千葉県建築士事務所協会(千葉市)とテクノワークス(株)(神奈川県横浜市)は、千葉県市原市内で建設している非住宅木造化の先進モデルとなる特別養護老人ホームの現場見学会を1月16日に開催し、約100名が参加した。

この老人ホームは木造2階建てで、建築面積は1,034.98m2、延床面積は1,645.30m2。パナソニック(株)が1995年に開発した耐震性の高いテクノストラクチャー工法で建設されており、同工法としては最大規模の物件となる。

同工法は、梁に鉄骨と木材を組み合わせた独自の「テクノビーム」を使い、土台や柱などの部材にはプレカット材を用いる木造軸組工法として認定されている。木造の弱点を克服した“新しい木造”として、発売以降27年で累計7万棟の建設実績がある。

建設中の老人ホームでは、同工法の持ち味を活かして無柱の大空間を構築しており、設計の自由度と利用者の利便性向上を“実感”できる物件となっている。

「そのS造、木造にしません?」から「国産材にしません?」へ

建設中の老人ホームは、「そのS造、木造にしません?」(テクノストラクチャー工法のキャッチフレーズ)を実践するモデル建築物となっているが、使用している木質部材は北米産のスプルース集成材で、国産ムク(無垢)材の製品はゼロ。ただし、担当者は、「国産材を使いたい」と言い、「どうやって調達すればいいのか」と言葉をつないだ。

標準部材のスプルース集成材

パナソニックの住宅(パナホーム)というと、鉄骨造のイメージが強い。それが木造に近づいているのは、時代の流れといえる。だがそこには、調達が難しいという“隘路”がある。ここを乗り越えることができれば、国産材の販路は自ずと開けていくであろう。

(2024年1月16日取材)

(トップ画像=テクノストラクチャー工法で建設中の老人ホーム)

『林政ニュース』編集部

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