4月13日に開幕する「2025年大阪・関西万博」のウズベキスタンパビリオンに日本産の長尺丸太が計320本も使用され、関係者の間で話題になっている。
同パビリオンは、「知識の庭」をテーマにした約750m2の2階建て建築物で、建築材料には木材、粘土、レンガなどを使用している。

長尺丸太は同パビリオンの柱に使われており、長さは5m~8m、径は20cm~30cm。市場で一般流通しているサイズではないため、関西広域木造建築普及促進協議会(会長=五十田博・京都大学教授)が中心となり、大阪府と西日本の宮崎・大分・熊本・鳥取・島根・徳島・奈良・和歌山の8県が連携して昨年(2024年)3月から4月までの約1か月で調達した。
同協議会は、大阪府木材連合会と大阪府建築士会が2017年に設立し、定期的な勉強会を継続して国産材製品の安定的な供給体制構築に向けて、ワンストップ機能の拡充などに取り組んでいる。
関西広域木造建築普及促進協議会と9府県が連携し、1か月で調達
今回は、同協議会内に設置している万博情報交換会のメンバーが丸太の伐出や乾燥、加工工程を管理・調整し、丸棒加工や金具の設置、複雑な構造計算まで担った。また、丸太にNFCチップを埋め込んで産地情報を読み取れるようにするなど、トレーサビリティの確保にも努めている。
同協議会担当者は、「万博の華といわれる海外パビリオンを“木のリング”から見ると、鉄骨やプレハブがメインとなっている。その中で長尺丸太を使ったウズベキスタンパビリオンは異彩を放ち、解体後の再利用もしやすい。『伐って、使って、植えて、育てる』ことの大切さを世界の人々に伝えていきたい」と話している。
(2025年2月12日取材)
(トップ画像=建設中のウズベキスタンパビリオン、画像提供:大阪府木材連合会))

『林政ニュース』編集部
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