「ゼロカーボンシティ」実現へ、埼玉県西部の市町村が広域連携
2月3日に飯能市内の伐採地で「脱炭素へ向けた地域材活用の街づくり『西川材供給式』」が開催され、プロジェクトを担う(株)高砂建設(蕨市)、フォレスト西川(株)(飯能市)、西川広域森林組合(同)、(株)カネカ(東京都港区)と、飯能市、入間市、県川越農林振興センター(川越市)の代表者らが出席。「入間市ゼロカーボンシティ普及モデル事業」の一環としてプロジェクトを実施することを確認するとともに、伐採作業のお披露目(実演)や新井飯能市長から杉島入間市長への木製円盤贈呈セレモニーなどを行った。
飯能市と入間市、所沢市、狭山市、日高市で構成する埼玉県西部地域まちづくり協議会は、2021年2月15日に「ゼロカーボンシティ共同宣言」を表明し、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロの達成を目指している。同宣言を具体化するため、入間市は今年度(2024年度)事業として、脱炭素型住宅街区を整備する実施主体を公募。これに高砂建設らが共同提案した西川材を用いた高性能住宅のプランが採択され、プロジェクトの開始に至った。
高い環境性能を持つ木造2階建て住宅を15棟建設、5月に分譲
今回のプロジェクトでは、西川材を主要構造材に用いた木造2階建て住宅を計15棟建設することを計画している。全棟を「ZEH+」適合とし、高い断熱・遮熱性能を確保するほか、耐震等級3等級の高耐震木造住宅とする。太陽光発電や自家発電システムも導入して、脱炭素社会にふさわしい住宅街区にすることを目指す。5月中旬頃から分譲を開始する予定。
「供給式」で新井飯能市長は、「飯能市で育った西川材がお隣の入間市で住宅に生まれ変わるのは嬉しく思う。カーボンニュートラルの実現に向けて西川材を活用してほしい」と期待を込め、杉島入間市長は、「本事業にとどまらず、今後も山を大切にし環境に良い取り組みを展開していく」と応じた。
(2025年2月3日取材)
(トップ画像=「西川材供給式」に出席した(左から)木崎秀尚・西川広域森林組合長、新井重治・飯能市長、風間健・高砂建設社長、杉島理一郎・入間市長、新井銀平・フォレスト西川社長)

『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。