広島県は、県産材の需要を創出するため、デザイナーなどと連携して新製品を開発する家具・木製品メーカーを支援する事業を今年度(2022年度)から始める。今年度予算に必要経費として500万円を計上、デザイン費や試作・試験費に加え、直接人件費も補助対象にして先駆的な取り組みを後押しすることにした。家具・木製品などの県産材利用量(年間)を2025年には6,000m3に倍増させることを目指している。

新規事業は、図のようなスキームで実施する。県内の家具・木製品メーカーがデザイナーや大学などと連携して県産のスギやヒノキを使った新製品を開発する場合、直接人件費も含めて補助率2分の1以内、1件当たりの限度額100万円の条件で助成する。
すでに関係者からは、「人件費にも補助金が出るので開発環境が整えやすい」との声が出ており、4月28日(木)まで事業実施者を公募している。
同県には、中国木材(株)や(株)ウッドワン(廿日市市)、ひろしま木材事業協同組合(北広島町)などの大型木材加工施設があり、製材品出荷量は全国でもトップクラスを誇る。スギ・ヒノキの素材生産量も年々増加しており、2019年度時点で35万5,000m3に達している。
だが、人口減少で住宅需要は縮小していくと予測されており、住宅以外のマーケットを開拓することが不可欠となっている。新規事業は、そのため“種まき”と位置づけられており、県の担当者は、「これまで県産材が利用されてこなかった分野や製品の開発を支援していきたい。まずはスモールスタートで取り組む」と話している。
(2022年4月2日取材)
『林政ニュース』編集部
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