和歌山県農林大学校(小畑利光校長)と北海道大学和歌山研究林(中村誠宏林長)は、人材育成をはじめとした包括的な連携協定を付けで締結した。同県古座川町平井にある北大和歌山研究林を研修フィールドとして活用するほか、講師の相互派遣など人材交流を強化する。
北大和歌山研究林(正式名称は「北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション南管理部和歌山研究林」)は、旧北海道帝国大学が暖帯林の研究などを行うため1925年に旧七川村平井の共有林を購入してつくった。現在の森林面積は約450haで、スギ・ヒノキなどの人工林が約76%を占めるほか、照葉樹の天然林が残る大森山保存林(約60ha)もある。
県農林大学校は、2017年度に林業研修部を創設し、新規就業希望者を対象にした1年制の「林業経営コース」と既就業者向けの「スキルアップコース」を設けており、今年度(2022年度)は林業経営コースで8人が研修に励んでいる。これまでも年に1回程度、北大和歌山研究林で実習などを行っていたが、協定締結により「複数回訪れるようにして実践的な研修の機会を増やしたい」(林業研修部)としている。
なお、協定した事項は、①林業を担う人材の育成、②産学官の連携による森林・林業の振興、③森林管理技術、教育、研究、文化の振興――などで、期間は3年間。特段の問題がなければ1年ごとに自動更新することも申し合わせた。
(2022年5月6日取材)
『林政ニュース』編集部
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