2021年の木材自給率は0.7ポイント低下の41.1% 総需要量は3年ぶりに増えコロナ禍前に回復

2021年の木材自給率は0.7ポイント低下の41.1% 総需要量は3年ぶりに増えコロナ禍前に回復

10年連続で上昇していた木材自給率が昨年(2021(令和3)年)は前年比0.7ポイント減の41.1%にダウンした。昨年は木材総需要量が3年ぶりに増加して国産材の供給量も増えたが、外材の輸入量の伸びが国産材を上回った。林野庁が9月30日に公表した2021年の「木材需給表」で明らかになった。

木材自給率は、2011(平成23)年から上昇基調に入り、一昨年(2020(令和2)年)は41.8%を記録して、1972(昭和47)年の42.7%以来半世紀ぶりに4割台に回復していた。一転して昨年は自給率が低下したものの4割台は維持している。また、建築用材等の自給率は前年比0.8ポイントアップの48.0%に上昇し、製材用材の自給率は49.1%と5割に近づいている。

昨年の木材総需要量は対前年比10.3%増の8,213万2,000m3と3年ぶりに増加し、コロナ禍前である2019(令和元)年の総需要量(8,190万5,000m3)を若干上回る水準にまで回復した。

国内生産量(国産材供給量)は同8.3%増の3,372万3,000m3と12年連続で増加。一方、外材の輸入量も同11.8%増の4,840万9,000m3に達したため、木材自給率は低下した。

品目別に自給率をみると、建築用材等はアップしたのに対し、非建築用材等は同2.0ポイントダウンの35.5%に下がった。とくに、バイオマス発電向けを主体とする燃料材の自給率が同6.3ポイントダウンと落ち込みが目立つ。木質ペレットを中心とした輸入燃料材が同39.1%増の539万4,000m3とシェアを伸ばしており、国産ものの競争力強化が必要な状況になっている。

(2022年9月30日取材)

『林政ニュース』編集部

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