「80%」達成へ宮崎県が「再造林強化対策」 意欲の醸成を図り、新規参入なども支援

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「80%」達成へ宮崎県が「再造林強化対策」 意欲の醸成を図り、新規参入なども支援

宮崎県は、今年度(2023年度)から3か年をかけて「再造林強化対策」を推進する。同県の森林・林業長期計画では、再造林率の目標を80%に設定しており、2017年度は79%まで上昇したが、その後は低下して70%台の前半にとどまっている。森林所有者の再造林意欲の低下や、造林・下刈り作業従事者・事業体の不足がネックとなっており、新たな対策によって課題の解消を目指す。

新対策では、新規事業と既存事業を組み合わせて、再造林を促進できる条件を整備する。まず、森林所有者の意欲の醸成を図るため、相談窓口等の周知や伐採パトロールを支援する「適切な森林経営促進事業」(今年度予算額150万円)を実施する。

また、新たに「造林担い手インターンシップモデル事業」(同1,020万円)に着手し、森林組合ごとに受け入れ体制を整えて未経験者でも「お試し造林」(就業体験)を行えるようにする。3か年で10名の新規就業者確保を目標にしている。

同じく新規事業として、「素材生産事業体による再造林推進モデル事業」(同1,168万円)も実施する。①新規参入推進、②継続実施支援、③造林補助システム研修の3事業を行い、伐採と造林が連携した再造林面積を現状(2021年度)の302haから2025年度には400haに増やすことを目指す。

このほか、「ひなたのチカラ林業担い手確保育成推進事業」(同500万円)によって、造林事業を新たに始める森林所有者や事業体向けに、技術の習得や安全衛生研修、資機材の導入などに必要な経費を補助する。新規就業者を対象に、1人当たり3年間で上限100万円を助成する措置も講じる。県環境森林部は、「今年度予算で講じた強化対策だけでなく、今後も機会をとらえて追加対策を打ち、再造林率を引き上げていきたい」と話している。

(2023年5月10日取材)

『林政ニュース』編集部

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