京都大学と住友林業(株)が木造の人工衛星を使った「宇宙木材プロジェクト」をスタートさせた。両者は昨年(2020年)12月23日に共同研究「宇宙における樹木育成・木材利用に関する基礎的研究」の契約を締結。2023年にホオノキを使った木造の人工衛星を打上げ、翌24年3月末まで宇宙環境下で木材の物性評価などを行う計画を明かにした。
木材は電磁波や地磁気を通すため、アンテナやセンサーなどの機器を人工衛星の内部に設置でき、構造を簡素化できる。また、運用後に大気圏に突入すると完全に燃え尽きるので、大気汚染物質の発生を防ぐことができる。
京都大学は、2016年に宇宙飛行士の土井隆雄氏を教授に迎え、真空中での木材の力学的性質などに関する研究を進めている。
(2020年12月23日取材)
(トップ画像=木造人工衛星のイメージ、画像提供:京都大学)
『林政ニュース』編集部
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