京都大学と住友林業(株)が2020年末から取り組んできた世界初の木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」*1が完成し、6月4日にJAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き渡された。
木造人工衛星は、住友林業の社有林から伐出したホオノキを使用し、「留形隠し蟻組接ぎ」と呼ばれる伝統的な技法によってネジや接着剤を一切使わずに組み上げた。
今後は、9月に米国フロリダ州から打ち上げるスペースX社のロケットに木造人工衛星を搭載し、国際宇宙ステーションに移送した後、「きぼう」日本実験棟より宇宙空間に放出する予定。
木造人工衛星から得られるデータの解析を進めることで、ナノレベルでの物質劣化のメカニズム解明や、新建材の開発などにつながると見込まれている。京都大学は、収集データを第2号機の設計に活かすことにしている。
(2024年6月4日取材)
(トップ画像=木造人工衛星「LignoSat」、画像提供:京都大学)
『林政ニュース』編集部
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