国産集成材工場の魁(さきがけ)、住田町の三陸木材とランバーが倒産

国産材を使った集成材工場の魁として知られる岩手県住田町の三陸木材高次加工協同組合(菊池良一理事長)と協同組合さんりくランバー(上田昭雄理事長)が7月31日付けで盛岡地方裁判所一関支部へ自己破産を申請し、倒産した。

1998年設立の三陸木材は、カラマツとスギを使った構造用集成材の生産で業容を広げ、2002年発足のさんりくランバーがラミナを供給する体制を構築。「森林・林業日本一のまち」を掲げる住田町を代表的する加工施設として操業してきた(第315号参照)。

だが、2007年に三陸木材の資金難が表面化して、町から累計約8億円の融資を受け(第328・334号参照)、経営立て直しに取り組んだものの財務状況は好転せず、町への返済が滞り事業継続を断念した。両組合の町への負債は10億円を超えるとみられる。 なお、両組合を退職した従業員のうち約40人は、同町のけせんプレカット事業協同組合(泉田十太郎理事長)が雇用した。けせんプレカットは、これまでも両組合の経営支援を行ってきている。

(2020年7月31日取材)

『林政ニュース』編集部

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