61回目となる今年度(2023年度)の「奄美群島地区植樹祭」が11月9日に鹿児島県の与論町で開催された。同植樹祭は、森林の育成や林業の活性化などに関する県民の理解を深めるために、群島市町村の持ち回りにより隔年ペースで行われている。2年前は瀬戸内町で実施したが、新型コロナウイルスの感染拡大で記念植樹のみにとどめており、式典も開いたのは2019年度の徳之島町以来となった。
今回は、奄美大島流域森林・林業活性化センター、与論町、大島支庁が共催し、県議や市町村長・議会議長、指導林家など林業関係者、行政関係者らスタッフを含めて約70名が参加した。
同町の砂美地来館を会場にして行われた式典で挨拶した田畑克夫町長は、「本町は毎年のように台風の影響を受けるため、海岸防災林や耕地防風林、家を守る防風林などを育てて島民の命と財産を守っている。森林は水源かん養の働きを担っているほか、赤土流出防止の役割も果たし、美しい自然環境が維持されている」と述べた。
式典では、各種褒賞の授与や、奄美産材の安定的な供給体制の構築などを目指すスローガンを採択。その後、植樹会場の多目的運動広場「ゆいランド」に移動し、防風林として親しまれているリュウキュウコクタンなどを約100本植え付けた。
(2023年11月9日取材)
(トップ画像=防風機能の高いリュウキュウコクタンを記念植樹した)
『林政ニュース』編集部
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