滋賀県内6森組が合併、原木生産4万m3超 6月に県下最大「滋賀県森林組合」が発足

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滋賀県内6森組が合併、原木生産4万m3超 6月に県下最大「滋賀県森林組合」が発足

滋賀県内に8つある森林組合のうち、6つの森林組合が1月19日に合併契約に調印し、「滋賀県森林組合」を6月に立ち上げることで合意した。年間の原木生産量が4万m3を超える同県最大規模の森林組合が誕生することになる。

同県では、間伐から主伐・再造林へのシフトが進められており、森林組合の経営基盤強化が急務となっている。2019年10月には県内の全8組合が集まり、県内森林組合広域合併検討会が設置され、昨年(2023年)12月まで協議を重ねた結果、6組合が合併する運びとなった。

合併する6組合の事業概要はのとおり。新発足する「滋賀県森林組合」の地区内民有林面積は14万5,814ha、組合員数は1万9,457人、出資金は3億9,416万円になる。

発足後は、業務の平準化や経理システム等の導入によって総務・管理部門の集約化と効率化を図り、職員のスキルアップや組織のコンプライアンス意識向上などに注力する。

広域合併検討会の事務局をつとめる滋賀中央森林組合の鈴木和之・代表理事専務は、「最初から合併ありきではなく、県内組合の変革を主眼において議論を進めた」と経緯を述べ、「各組合の現状と課題を直視し、新体制への転換、役職員の意識改革、組織運営の改革などの必要性を確認し、合併という結論に至った」と説明している。

森林組合の合併では、各組合の財務状況の違いを擦り合わせることが“壁”となる。今回は、とくに積立金の扱いで合意形成が難航したが、合併前の各組合の管轄での業務に使途を限定することで調整がついた。

今後の展開について鈴木専務は、「経営基盤を強固にして、主伐・再造林の取り組みを進めていく」とし、今回の合併に参画しなかった残る2組合については、「東京都や大阪府のように県下1森林組合になるように引き続き合併に関する議論を行っていく」と話している。

県森連が「主伐・再造林基金」設置、森林所有者の負担ゼロへ

合併調印式に出席した滋賀県森林組合連合会は、県内の主伐・再造林を後押しするために「(仮称)主伐・再造林基金」を設置すると発表した。

同基金は、主伐・再造林を行った森林所有者の保育経費の負担をゼロにするために、補助金ではカバーできない費用について支援する。財源は、組合系統及び県内木材事業者からの拠出で賄うことにしており、来年度(2024年度)以降に詳細な制度設計を行うことにしている。

(2024年1月19日取材)

(トップ画像=1月19日に滋賀県林業会館(大津市)で行われた「滋賀県森林組合合併契約調印式」に出席した関係者、画像提供:滋賀県)

『林政ニュース』編集部

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