奈良県の宇陀市内に獣肉利活用施設「UDA GIBIER FACTORY(ウダジビエファクトリー)」(運営:NPO法人宇陀ジビエ推進協議会)が2月29日に竣工し、稼働を始めた。同市によると、近畿地方最大の加工処理能力を持つ。
獣害被害が深刻化している同市では、年間約1,500頭のイノシシやシカを捕獲しているが、そのほとんどは山林内に埋設処理されている。捕獲後のシカやイノシシを地域資源として有効活用するために同施設を新設した。
同施設は、木造平屋建てで、建築面積は236.44m2。最新鋭の機械・設備を揃えており、食肉加工処理・販売やペットフードの製造などを行う。
同市内には、ジビエ料理を提供する飲食店が3店、ジビエ食肉専門店が1店あるほか、猟師と農林家をマッチングする森庄銘木産業(株)の「カリツナギ」などのサービスも行われており、同施設とのシナジー(相乗効果)発揮が期待されている。
宇陀市の担当者の話「『UDA GIBIER FACTORY』ができたことで生き物の命を無駄にせずに獣害対策を継続できる。地域資源としての獣肉の利活用を進め、農林業被害を減少させたい」
(2024年2月29日取材)
(トップ画像=「UDA GIBIER FACTORY」の竣工式、画像提供:宇陀市))
『林政ニュース』編集部
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