本邦初の「立木取引市場」立ち上げへ、基本構想とルールを示す

本邦初の「立木取引市場」立ち上げへ、基本構想とルールを示す

再造林費を上乗せした「立木取引市場」の創設に向けた基本構想がまとまった。「立木取引市場」のあり方を検討してきた有識者委員会(立花敏座長)が1月末に成果報告書を公表し、インターネット上で民有林の立木を“適正価格”で売買する際のルールなどを示した。来年度(2024年度)からモデル地区を設定して試行事業を行うことにしており、軌道に乗れば本邦初の“オープンな立木売買の場”ができることになる。

インターネット上に立ち上げる「立木取引市場」は、トップ画像のようなシステム構成で構想されており、会員登録をすると物件(立木)情報が一覧できる。森林(私有林)所有者は、再造林費を含めた価格で立木を出品し、買い手(素材生産業者や木材加工流通業者など)とのマッチングが整えば売買が成立する。森林や立木に関する情報収集・開示や再造林の確認などは、リモートセンシングなど最新のデジタル技術を活用することで省力化などを図ることにしている。

「立木取引市場」の物件情報サンプル

通常、立木の取引は売り手と買い手との(相対(あいたい)で行われており、そこに“うま味”も“にが味”もあることが業界の常識となっている。新設する「立木取引市場」は、そうした実態に切り込んでいくものであり、今後の帰趨が注目される。

(2023年12月25日取材)

(トップ画像=「立木取引市場」のシステム構成)

『林政ニュース』編集部

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