今後の林政の展開方向や目標数値などを盛り込んだ新しい「森林・林業基本計画」が6月5日に閣議決定された。副題に「百年つづく『森の国・木の街』へ」を掲げ、国産材の幅広い需要を創出できるサプライチェーンを構築して、多様で健全な森林づくりにつなげていく将来ビジョンを示した。「基本計画」に副題をつけたのは、初めて。
新「基本計画」は、現行計画の目標年(2030年)を5年先に伸ばして目標数値などを見直すとともに、森林の区分を「人工林」と「天然林」の2つに再編し、新たに約40項目のKPI(成果指標)を設定して進捗状況を検証できるようにした(第767・771号参照)。
新「基本計画」に併せて全国森林計画の内容も変更し、同じく6月5日に閣議決定した(計画期間は2024年4月1日から2039年3月31日まで、第772号参照)。
新「基本計画」のポイントは、「川下で国産材の利用を広げることが川上の森林づくりにつながるストーリーにしていること」(林野庁幹部)。林野庁の施策や予算は森林整備関連に重点が置かれているが、人工林が成長し伐期を迎える中で、国産材の“出口”(需要先)を広げないと循環利用が成り立たなくなるという危機意識が背景にある。
このため新「基本計画」では、木材の年間総需要量は8500万m3で頭打ちになるとしたものの、国産材の利用量は2030年に4000万m3、2035年には4200万m3に増え、国産材のシェアは高まっていくとの目標を示した。この目標を達成するために、都市の木造・木質化や木材製品の海外輸出などで新規マーケットを開拓するとともに、改正SHK制度や「建築物LCA」(第750号参照)などを通じて国産材利用の環境貢献度を“見える化”することなどを重点課題に据えた。これから本格化する来年度(2027年度)予算編成などで、これらの課題を解決しながら前に進めるための財源等を確保することが当面のテーマとなる。
(2026年6月5日取材)
(トップ画像=国民視点で整理した「森林・林業基本計画で目指す世界」)
『林政ニュース』編集部
おかげさまで、1994年の創刊から32年目に入りました! これからも皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。