神戸大学(兵庫県神戸市)や(株)Andeco(大阪府大阪市)などは、9月10日に広葉樹の資源把握から需要創出までをデジタル技術で管理する「国産広葉樹活用プロジェクト」を立ち上げた。神戸大とAndecoのほか、カリモク家具(株)(愛知県東浦町)、創造再生研究所/SAKUWOOD(東京都港区)、SHAREWOOD(兵庫県神戸市)、信州大学(長野県松本市)、ひだか南森林組合(北海道様似町)の計7者が参加しており、Andecoが事務局、神戸大学の黒田慶子教授がプロジェクトリーダーをそれぞれつとめる。
同プロジェクトが当面取り組むのは、里山放置林にあるナラ材の活用。ナラ枯れ被害に遭う前に伐採して萌芽更新させ、材を適正価格で販売して広葉樹林の価値向上を目指す。薪炭林だった放置林の所有者は農家が多く、行政や業界の声が届きづらい面がある。一方、国産広葉樹材へのニーズは高まっているが、どこに・どんな樹種が・どれだけあるかがわからず、ビジネスマッチングが進みづらい状況にある。
そこで同プロジェクトでは、林内の毎木調査を行った上で、家具に使用可能な2mの直材が採れる直径20cm以上のナラ材に電子タグをつけ、QRコードとスマートフォンを使って単木管理する「電子カタログ」を作成する。電子タグのデータは木材クラウドシステムに保存し、トレーサビリティ(生産・流通履歴)を明確化する。少量で分散しているナラ材でも、データを集約することでロット(量)がまとまり、需要側の要求に応えられると見込んでいる。来年春頃には製作した家具製品をテスト販売する予定。
なお、9月29日(水)には、広葉樹活用を検討している事業者・自治体向けのオンラインセミナーを開催することにしている。
(2021年9月10日取材)
『林政ニュース』編集部
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