人の動き 
６月末に農林水産省を退職した長野麻子さん*1*2が新会社を立ち上げた。社名は「株式会社モリアゲ」。設立は山の日の８月11日。名刺の裏には「森をモリアゲる事業を承ります」とあり、①森への資金循環、②木のある暮らし、③森の学び──などに関するコンサルティングを主要事業に掲げる。
林野庁の木材利用課長時代に「ウッド・チェンジ」を提唱し、国産材の新市場創出に奮闘していた姿は記憶に新しい。エリート官僚から民間の企業人に転身した決断には驚かされたが、「５年くらい前から考えていた」という。「私は管理職に向いてないから」と笑顔を交えざっくばらんに話すところがこの人らしい。
オフィスは内外装に国産材を活用した港区の札の辻スクエアに置く。ただし、席を温める余裕はない。「まだつながっていないところがたくさんある」と言い、各地に出向いて「面倒臭いことは全部引き受けます」と営業につとめる日々だ。とくに、資金やスキルを豊富に持っている企業や人材に狙いを定めて、「森や木の世界に引き込んでいく」と話す。
フットワークのよさには定評があり、人脈の広さも抜群。裏表のない明朗なキャラクターを「モリアゲ姉さん」と慕うファンは多い。「異業種企業が森林や木材に近づいてきている」と目を輝かしており、「ウッド・チェンジ」の新たな波が起きそうだ。
（2022年８月11日取材）
（トップ画像＝創業の目的などをフランクに語る長野麻子・モリアゲ代表）
詠み人知らず
どこの誰かは知らないけれど…聞けないことまで聞いてくる。一体お主は何者か？ いいえ、名乗るほどの者じゃあございません。どうか探さないでおくんなさい。
