CLT工法による初の木造3階建て賃貸住宅が完成─大東建託

東京都 木造住宅

CLT工法による初の木造3階建て賃貸住宅が完成─大東建託

大東建託(株)が東京都調布市内で建設していたCLT工法による初の木造3階建て賃貸住宅「Forterbフォルターブ)Ⅲ」が完成し、2月18日に報道関係者に公開された。同社は、2×4(ツーバイフォー)工法による賃貸住宅を主力にしているが、CLT(直交集成板)の使用を拡大することで国産材を含めた木材利用の“引き出し”を増やすことにしている。

「ForterbⅢ」は、同社独自のCLT工法による賃貸住宅シリーズの第3弾に位置づけており、調布市内で完成した第1号棟に続き、3月末には埼玉県所沢市内に第2号棟を着工する予定。同社は、2028年までにCLT使用量を現状の8倍にあたる2,000m3に増やす目標を設定しており、「(CLT工法賃貸住宅を)約20棟供給できる体制にもっていきたい」(岡本修司・技術開発部次長)としている。

壁と天井にスギCLTを現(あらわ)()(あらわ)しで使っている

調布市内で竣工した第1号棟は、準耐火構造の3階建てで、省エネ性能はZEH(オリエンテッド)。1LDK(40.45m2)が12戸あり、賃料はRC造(鉄筋コンクリート造)の賃貸住宅と同水準の13万9,000円~14万5,000円としており、すでに全室で入居者が決まっている。壁と天井にスギCLTを(あらわ)しで使い、本物の木に触れられるデザインとした。

第1号棟全体の木材使用量は207m3で、CLT使用量は122m3、構造用合板も含めた国産材の使用量は172m3。CLTは岡山県の銘建工業(株)が生産したものを用いた。岡本氏は、「東日本にもCLTをつくれる工場があると輸送費を削減できる」と話しており、新たなサプライチェーンの構築が今後の課題になる。

(2025年2月18日取材)

『林政ニュース』編集部

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