中部森林管理局が広葉樹林の更新をテーマに相次いで現地検討会を行う

長野県 森林経営・管理 国有林

中部森林管理局は、広葉樹林の更新をテーマにした現地検討会を9月に2回、相次いで開催した。国産広葉樹材へのニーズが高まっていることを踏まえ、局長をはじめ担当官らが施業現場に足を運んで意見交換などを重ねたもので、同局として初めての取り組みとなった。

1回目は9月11・12日の同局署長会議に合わせて実施し、“広葉樹のまちづくり”に取り組んでいる飛騨市の択伐施業地(市有林)を訪れ、同市の林業振興課職員らから施業方法に関する説明を受けた。併せて、近隣にある国有林の広葉樹二次林も視察し、現場で直面している課題などを洗い出した。

2回目は、9月25・26日に新潟県魚沼市にある大白川生産森林組合が管理するブナ林で行い、スノービーチプロジェクトに関わっている新潟大学名誉教授の紙谷智彦氏から具体的な施業方法などを聞いた。紙谷氏は、ブナの確実な更新には、間伐によって前生稚樹がha当たり1万本は更新していることが不可欠などと助言した。

さらに、ブナ研究の第一人者である森林総合研究所所長の浅野(中静)透氏を北信森林管理署管内にある2000年に植栽したブナ造林地に招き、下刈りの必要性や間伐の時期、間伐木の選木方法などについてアドバイスを受けた。浅野氏は、ブナ稚樹が尾根筋に多数更新している広葉樹施業指標林も訪れ、前生稚樹の十分な更新が確認できれば単木的なブナの伐採は可能との見方を示した。

同局は、今後も広葉樹林の確実な更新に向けた現地検討会などを続けることにしている。

(2025年9月25・26日取材)

(トップ画像=9月26日に北信森林管理署管内の広葉樹施業指標林(ブナ林)で前生稚樹の発生状況を確認する森林総合研究所の浅野所長(右から2人目))

『林政ニュース』編集部

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