林野庁は、10月1日付けで人事異動を発令した。中部森林管理局長の森谷克彦氏(昭和63年入庁・山形大林卒)が退職し、後任として農林漁業信用基金理事の佐伯知広氏(平成3年・三重大林)が中部局長に就任。佐伯氏の後任には国有林野部付で待機していた前経営企画課長の石田良行氏(平成5年・宇都宮大林)が起用された。


また、幹部ポストである業務課技術開発調査官(兼経営企画課)の間島重道氏(平成5年京大(院)林産)が経営企画課付となり、後任には計画課施工企画調整室長の有山隆史氏(平成9年・三重大林)が就いた。施工企画室長には林政課管理官の五味亮氏(平成11年・東大(院)林)が起用された。
林野庁人事異動(2025年10月1日付け)
◎林政部
・林政課
管理官(計画課付)東正明
◎森林整備部
・計画課
課長補佐・施工企画班担当(計画課課長補佐・施工企画)齋藤絵里
・森林利用課
課長補佐・森林吸収源企画班担当(森林利用課森林炭素取引活性化企画官)藤田裕史
・治山課
保安林調整官(経営企画課企画官・事務・情報管理担当)小木曽純子
【解説】間島氏は「乞うご期待」、有山調査官に特命、五味室長の実父は東大名誉教授
退職した森谷氏からバトンを受けた佐伯氏は、基金理事としての任期(2023年10月から2年)を終え局長に進出した。若手時代に松本営林署の姫川治山事業所や南信森林管理署の飯田事務所で勤務しており、土地勘のある中部局長は「適任」(本庁幹部)。ただ本人曰く、「3回目の中部局だが4半世紀ぶりだし、国有林の現場も久しぶり。まず皆さんの話をよく聞きたい」と謙虚に語って着任した。57歳。
佐伯氏の後任として基金の理事に就いた石田氏は、7月の人事異動で経営企画課長から国有林野部付となり、実質的に待機していた。基金の理事は局長と同格ポストであり、2年の任期を全うすると次のステップが待っている。人当たりのいい石田氏は、金融関係業務もスムーズにこなしそうだ。
林野庁の中軸ポストである業務課技術開発調査官をつとめてきた間島氏が経営企画課付になったのも、石田氏と同様に“次の異動”を睨んでのもの。本庁上司は、「乞うご期待かもしれません」と含みを持たせる。3か月後くらいには、サプライズ発令があるかもしれない。

間島氏の後任として白羽の矢が立ったのは有山氏。フットワークのいい明朗かつ率直な人物だ。10月1日に辞令を受け取った時点では、「(新しいポストで)何をすればいいのか、これからです」と話した後、「長官から指示が来るかもしれません」と言葉をつないだ。特命事項を担う役回りになりそうだ。来年(2026年)3月で52歳になる。
平成11年組から計画課施工企画調整室長に登用された五味氏は、スマートな体躯で、趣味は登山。神奈川県茅ケ崎市で育ち、栄光学園(鎌倉市)から東大に進んだ。50歳。なお、五味氏の実父は、歴史学者で東大名誉教授の五味文彦氏。
(2025年9月30日・10月1日取材)
詠み人知らず
どこの誰かは知らないけれど…聞けないことまで聞いてくる。一体あんたら何者か? いいえ、名乗るほどの者じゃあございません。どうか探さないでおくんなさい。