日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)は、8回目となる「林業復活・地域創生を推進する国民会議」を10月12日に東京都内のホテルで開催した(国土緑化推進機構が共催)。同会議の設立時から会長をつとめてきた三村明夫氏(日本商工会議所会頭、日本製鉄(株)名誉会長)が退任し、後任として同会議副会長で(株)竹中工務店特別顧問の宮下正裕氏が新会長に就任した。また、副会長の矢野龍氏((株)住友林業最高顧問)と前田直登氏(前・日本林業協会会長)も退任し、新たに島田泰助氏(現・日本林業協会会長)が副会長に選任された。
同会議は、2013年に財界が中心となり1,000人以上の賛同者を得て発足(第476・478号参照)。三村氏は、初代会長として同会議の活動を9年間にわたって陣頭指揮してきた。退任にあたり、「林業は産業としてきちんと成り立たなければいけないと考えて取り組んできた。国産材のシェアは着実に上昇してきており、課題は山積しているものの将来に向けて大きな希望を持っている」と総括した。また、後任の宮下氏は、「木造による中高層建築物が目に見えて増えており、カーボンニュートラルの実現に向けて森林・林業・木材産業の注目度も高まっている。こうした流れをさらに確実なものにし、国産材の利用拡大につなげたい」と抱負を述べた。
新会長の宮下氏は、1946年に長野県伊那市で生まれ、伊那北高校から東京大学(工学部都市工学科)に進んだ。1971年に竹中工務店に入社し、開発計画畑一筋で歩んだ後、2013年に創業家以外から初となる社長に就任して話題を呼んだ。2019年から同社の会長、昨年から特別顧問をつとめている。
(2022年10月12日取材)
『林政ニュース』編集部
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