英国に本社を置く大手製薬会社のアストラゼネカ(株)(大阪府大阪市、アンドリュー・バーネット社長)は、大阪府及び岸和田市とともに進めている竹林の整備事業を継続・強化する。2021年に3者で締結した「アドプトフォレスト アストラゼネカの森」協定の期間が4月29日で満了したことを踏まえ、4月30日付けで新たに5年間の協定を結んだ。岸和田市が神於山地区に保有する約0.9haの竹林を対象に、整備から活用のフェーズに移行することを目指す。
「アドプトフォレスト」は、府が事業者と森林所有者の仲介役となり、放置された人工林や竹林などの広葉樹林化を促す制度。
同社は、2021年からの5年間で延べ800人の社員や家族が参加し、約0.5haの竹林の手入れを行って、林床への採光確保と生態系回復を図ってきた。その成果として、フクロウの生息確認やタカサゴユリ、野イチゴ、日本の固有種「シュレーゲルアオガエル」などが見られるようになってきた。

今後の5年間では、従来からの竹林整備にとどまらず、伐出した竹を建材や土壌改良材、炭化資材として利用していく方針。また、竹資源を魚礁や環境改善材として活用し、大阪湾の生態系保全につなげることも計画している。同社と連携する岸和田市は、企業・地域・行政の共創による「地域循環共生圏」モデルを形成するビジョンを示している。
同社は、グループ全体でサステナビリティ戦略を策定しており、今回の協定更新はその一環に位置づけられる。担当者は、「人の健康は健全な環境に支えられているという考えのもとで、今後も活動を展開していく」と話している。
(2026年5月18日取材)
(トップ画像=生息が確認されたフクロウ、画像提供:アストラゼネカ)
『林政ニュース』編集部
おかげさまで、1994年の創刊から32年目に入りました! これからも皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。