林野庁は、新しい「森林・林業基本計画」の素案を作成する専門の検討室(通称「タコ部屋」)を4月1日付けで設置した。大臣官房政策課調査官兼計画課の吉川正純氏(平成17年入庁・京大院卒)をヘッドに8名が配置されている。
現行の基本計画は2021年6月に閣議決定され、5年ごとの更新期を迎えている。現行計画では、「森林・林業・木材産業による『グリーン成長』」をテーマに掲げ、森林の多面的機能を発揮させながら、2030年には木材総需要量を8,700万m3に増大させ、このうち4,200万m3を国産材で賄う目標数値を設定した。
新計画では、その後の情勢変化などを踏まえて目標数値を見直すことが焦点となるが、人口減に伴う住宅市場の縮小や「トランプ関税」に起因する世界経済の停滞など不透明感が増している一方で、政府が2月に閣議決定した新しい「地球温暖化対策計画」*1では、森林による二酸化炭素(CO2)吸収量の目標値を大きく引き上げており(2040年度に7,200万t)、今後5年間のシナリオをどう描くか、難しい舵取りが迫られている。
(2025年4月5日取材)
(トップ画像=現行の「森林・林業基本計画」のリーフレット)

『林政ニュース』編集部
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