北海道と静岡県に新しい林業者の養成機関が4月に誕生した。
北海道では旭川市を拠点とする「道立北の森づくり専門学院」(略称:北森カレッジ、寺田宏学院長)が開校し、第1期生として34名が入学。静岡県では、農林業分野の専門職大学としては日本初となる「県立農林環境専門職大学・同短期大学部」(愛称:アグリフォーレ、鈴木滋彦学長)が磐田市で開学した。両校を含めた全国の林業技術者養成機関は約20校にまで増えてきた。
北海道内外から34名が入学、2年制で中核的人材を育成
「北の森づくり専門学院」は、次代の林業を担う中核的な人材を2年制で育成するのが目的。旭川市の林産試験場を中心に、講義や実習などを行う拠点を全道各地に設け、「オール北海道」で人づくりを支える体制をとっている。
第1期生34名のうち2名は女性で、道外からも8名が入学した。年齢別内訳は、10代が19名、20代が10名、30代以上が5名。経歴別では高卒者が15名、短大・大卒者が4名、社会人出身者が6名などとなっている。

静岡県立農林大学校を発展的に改組、林業コースを設置
静岡県で開学した「農林環境専門職大学・同短期大学部」は、前身である県立農林大学校を発展的に改組し、農林業経営のプロを育てる国内唯一の専門的教育機関としてタートを切った。
第1期生として4年制の大学(生産環境経営学部)に27名、2年制の短期大学部に77名の計104名が入学。大学は2年次、短期大学部は1年次の後半から栽培・林業・畜産のコースに分かれて専門的な知識や技術をマスターすることにしている。
このうち林業コースでは、造林学や森林計画などの“山づくり”だけでなく、木材加工など川下分野を含めた幅広い知見が学べるようになっている。

(2020年4月10日取材)
(トップ画像=今年度(2020年度)末に竣工予定の北海道立北の森づくり専門学院(旭川市)の新校舎)

『林政ニュース』編集部
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