木質バイオマス発電の調達価格は2025年度も据え置き

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木質バイオマス発電の調達価格は2025年度も据え置き

木質バイオマス発電事業の収支などを左右する再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の来年度(2025年度)の調達価格は、今年度(2024年度)と変わらず据え置きとなる。また、調達価格を入札によって決めるFIPの枠組みも今年度と同様に維持される。

ただし、1万kW以上の発電事業は、再来年度(2026年度)から支援の対象外とする。経済産業省の調達価格等算定委員会が2月3日の会合で、再生可能エネルギー支援制度に関する来年度以降のあり方を示した。今年度中に経済産業大臣が正式決定する。

1万kW以上は2026年度から支援の対象外、専門委は自立化に懸念示す

木質バイオマス発電事業については、国民負担を軽減するためにもFIT/FIP制度による支援範囲を見直して縮小することが課題になっている。再来年度から1万kW以上の発電事業を制度の対象外とするのは、その第1歩といえる。もっとも、1万kW以上の発電事業に使われる燃料はもっぱら輸入木材(チップやペレット等)であり、円安などの影響で今年度の入札件数はゼロだった。実態を後追いした見直しともいえ、国内の燃料材を利用している発電事業者に直接影響を与えるものではない。

ただし、同委員会は、木質を含めたバイオマス発電事業全般について、コストダウンが進んでおらず、他の再エネ電源と比べて「自立化が相対的に難しい」と指摘し、「FIT/FIP期間の終了後に、石炭火力等の火力発電へ転換する懸念や事業廃止に至る懸念がある」と警鐘を発している。燃料材を安定的に確保しながら経営体質をいかに強化していくかが発電事業者の重い課題になっている。

(2025年2月3日取材)

(トップ画像=FIT/FIP制度による支援対象のイメージ(一般木質等バイオマス発電) )

『林政ニュース』編集部

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