木材輸出額は7%増の538億円、中国向け丸太がトップ
昨年の林産物輸出額の内訳は、木材が538億円、木製家具が81億円、特用林産物が48億円だった。
大半を占める木材の輸出額は図1のように推移しており、昨年は前年より7%増加した。国別の輸出先トップは中国で前年の248億円から297億円に増加した。また、米国向けも53億円から56億円に、韓国向けも28億円から32億円に増えた。一方、フィリピン向けは112億円から89億円に減少し、台湾向けも27億円から26億円へ微減した。

品目別では、中国向けが9割を占める丸太が231億円から282億円に伸び、米国向けが4割、中国向けが2割の製材も65億円から74億円に増えた。これに対し、合板等の輸出額は103億円から74億円に減少した(図2参照)。

2025年の目標額まであと51億円、懸念材料はトランプ大統領
政府は、林産物輸出額を2025年に718億円、2030年には1,660億円に増やす目標を設定している。2025年の目標額までは、あと51億円に迫っており、今の勢いを加速することが必要だ。
ただ、関係者の間では、米国に誕生したトランプ政権が大きな懸念材料となっている。第45代米国大統領に就任したトランプ氏は、中国からの全輸入品について10%の追加関税を発動し、反発した中国が報復措置をとるなど米中貿易摩擦が激しくなってきている。
米国には中国経由でスギフェンス材などが輸出されており、両国の対立が深まると、日本の林産物輸出も軌道修正を余儀なくされる。トランプ氏が繰り出す政策には先の読めないところがあり、関係者にとって気を揉む状況が続きそうだ。
(2025年2月3日取材)

『林政ニュース』編集部
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