大型パネルを構成する木材には、寸法精度などの関係から主に集成材が使用されるが、ムク(無垢)材の利用も進んできている。
5月13日には埼玉県鴻巣市で、スギのムク材を用いた大型パネルによる住宅の見学会が開催された。主催したのは、同市の木村木材工業(株)(木村司社長)*1で、(有)佐藤工務店(埼玉県上尾市)が施工した。
パネルの柱材には、埼玉県産のスギ1等材(長さ3m)を使用。130㎜角の柱材に4面スリットを入れて乾燥した後、モルダーで120㎜角に仕上げ、寸法精度を高めた。加工は、渡良瀬林産(株)(栃木県佐野市)*2が行った。
木村社長は、「2018年12月に早稲田大学で開催された大型パネルの公開実験*3を見学した際に、ウッドステーションの塩地社長へ『4面スリット材は使用できないか?』と提案し、ようやく実現できた。これでムク材利用の幅が広がるとともに、価値も高められる」と話している。
(2024年5月13日取材)
(トップ画像=埼玉県鴻巣市で行われた見学会の様子)
*2渡良瀬流域構想を進めるコンチネンタルホームグループ【突撃レポート】
『林政ニュース』編集部
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