全国に先駆けて早生樹・センダンの育成・利用に取り組む
1972年に発足した同組合は、天然木を薄くスライスしたツキ板を使って家具や内装材など様々な製品を供給し続けている。全国に先駆けて早生樹のセンダンを育成・利用する取り組みも進めており、センダンのテーブルや椅子、小物などのラインナップを拡充してきているほか、健康飲料として「栴檀茶」を売り出すなど、新たなマーケットの開拓にも力を入れている。
池末理事長「さらに製品を増やしていく」、江藤市長「地場産業を復活」
記念式典には、同組合の組合員や関係者をはじめ、来賓として招いた林野庁の小坂善太郎次長、地元の江藤義行市長や木室小学校の5年生(36名)らが参加した。
冒頭に挨拶した池末理事長は、「50周年を1つの足場として、これからも木工、建具、インテリアなどの製品を増やしていきたい」と意欲を語り、林野庁の小坂次長は、「里山の広葉樹林を含めて、森林を伐って・使って・植えて・育てる循環をつくることが重要」と述べた上で、「センダンは植えてから10~20年で収穫できるスーパーマンのような樹種」と評価した。また、10月23日に就任したばかりの江藤市長は、「当市の地場産業である家具や建具を何としても復活させたい」と決意を口にした。
小坂善太郎・林野庁次長が”先生”となり課外授業を実施
記念式典に続いて、参加者全員でセンダンの苗木を植栽した後、小学生らは釘を使わない組子細工でセンダンのコースターを製作した。
また、小坂次長が”先生”となって、「森林のはたらきとわたしたちの生活」をテーマに課外授業を実施。小坂次長は、「今年の夏も暑かったですね」と身近な話題をイントロにして、森林の地球温暖化防止機能などをわかりやすく解説し、循環利用を確立するためには、「身の回りで木を使っていくことがとても大切です」と語りかけた。
同組合は、50周年記念誌を制作して、木材利用の重要性を広く呼びかけていくことも計画している。全国天然木化粧合単板工業協同組合連合会の副会長でもある池末理事長は、「子供たちが大きくなってから木を植えてよかったと思えるような世の中にしたい」と”次の50年”を見据えている。
(2024年10月25日取材)
(トップ画像=トマト会館の前に全員集合!)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。